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伝説の「甘酒アイス」はこうして創られた。~その1

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「ぴーちゃん、ぴーちゃん・・・」

名前を呼ばれて目を覚ますと、ワタクシは深い霧の中に立っていた。

ここはどこ?

周りをぐるりと見回すと、その霧の彼方から金色の光に包まれて、何かがこちらに近づいてくるのが見えた。

眩しさに手をかざしながら光の方に恐る恐る目をやると、そこには白い長い髭を生やし、白い着物を着て、長い木の杖を携えた老人がこちらに近づいてくるのが見えた。

老人はワタクシの前で立ち止まり、話しかけてきた。

「アンタ、ぴーちゃん?」

「あ、はい」

「おお、そうかね。なにぃ、アンタ、聞くところによると、随分頑張って甘酒作っとるらしいがね」

「えっ?どこでそんな噂聞いたんですか?ま、まあ、頑張ってはいますけどね。えっと、で、アナタはどちら様でした?」

「ん?ワシ?ただの甘酒好きのジジイだわ。まあ、人はワシのことを”甘酒の神様”と呼んどるらしいけどな。ホッホッホ!」

「えーーーっ!!!」

驚いた。

甘酒の神様は名古屋弁を話していた。

「どうして甘酒の神様が名古屋弁しゃべってるんですか~?」

「アンタさあ、ちょっと驚くツボ、間違えとらん?そこ、そんなに驚くところと違うに。そういうことでなくて、ほれっ、ほれっ」

「ああ、そうでした。

甘酒の神様ですか~!?いや~、驚きました。こちらこそ噂では聞いていたけれど、本当に甘酒の神様っていらっしゃるんですね。お目にかかれて光栄です。

で、ワタクシになんの御用ですか?甘酒の神様」

「あ、あのねぇ、その呼び方、ちょっと長ったらしいでしょ~。”甘酒の神様”、略して”あまちゃん”って呼んでくれん?ほれ、今流行っとるが。ワシ、毎朝見とるんだわ、あれ。ホホッ!」

「あ~~~、あま・・・ちゃん・・・、ですか?あまちゃんね・・・、はい、あまちゃん」

「そう、それがよ~、甘酒名人のぴーちゃんに、ちょっと頼みがあってよ~」

「えっ、何ですか急に”甘酒名人”なんてヨイショし始めちゃって、あまちゃん」

「うん、甘酒名人はちょっと言いすぎた」

「って、簡単に訂正するのもどうかと思いますよ、あまちゃん」

「あ、”あまちゃん”はいちいち会話の最後に付けなくていいわ。くどいで時々にしてちょ~」

甘酒の神様、略して”あまちゃん”は、長い杖を横にすると、着物の裾をつまみながら真っ白な地面に腰を下ろした。

「アンタもまあ、座りゃ~」

「はい、あま・・・、あっ、はい」

「甘酒名人は言い過ぎたわ、ごめん」

「それ、二回も言うことじゃないです。誤ることでもないし」

「うん、それだけどよぉ、アンタ、一生懸命甘酒作っとるがね。なに~、”甘酒カフェ”とかいうのやっとるんだって?感心だがね、甘酒名人でないにしても」

「あ、三回目。くどいです。

そうです。甘酒カフェ”ゆふ”。手づくりの甘酒の良さを少しでもみなさんに分かってもらいたいと思って、柴田屋酒店の片隅で細々とやってるんです」

「それだわ。素人に毛が生えたくらいのアンタが細々とやっとる甘酒カフェだけどよ~、そりゃ、そこいらで出来たの買ってくるのとは違うって~」

「はい、褒められてるのか貶されてるのかわからないけど、確かにうちの甘酒は大手のメーカーさんが作る既製品の甘酒とは違うと思います」

「そこだて。ワシにいい考えがあるんだわ」

あまちゃんは横に置いた杖を少し遠くにずらすと、ワタクシの方ににじり寄ってきた。

こういうおじいちゃんは、大体漢方薬か樟脳の臭いでもすると思っていたが、あまちゃんは微かにぷ~んと甘酒のいい香りがした。

(やっぱり本物だ!)

ワタクシは心の中で呟いた。

<つづく>

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