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あの時のこと・後編

100913_163136 こんにちは。

避難勧告を受けるというのはもちろん初めてのこと。何を持っていっていいのかわかりません。

でも、じきに雨が止めば戻ってこられるのだろうと、携帯電話と財布やハンカチなど、普段持ち歩いているような物だけかばんの中に入れ、冷蔵庫のウーロン茶をペットボトルに詰め替えました。

避難所は自宅から徒歩数分の近くの小学校。やはり、途中膝まで水に浸かりながら歩いていきました。

小学校に着くと校庭は浸水していませんでしたが、校舎の2階以上の教室に待機するようにとの指示。ここにもやがて水が押し寄せるのだろうか。不安がつのります。

ペットの犬を連れてきた人もいましたが、校舎の中には入れてもらえず、心細そうに犬の首に手を回し、喉元をさすりながら玄関先にしゃがみこんでいます。

しばらくすると校内放送で「〇〇神社の付近では軒下まで浸水しているそうです」とのアナウンス。教室のあちこちでざわめきがおこりました。自分達の家はどうなったのか、知るすべはありません。

それでも、そのあと雨が激しくなることはなく東の空が白々と明けて、長い長い夜の終わりを知らせてくれました。

やがて、教室のテレビで浸水の様子を伝えるNHKのニュースが始まり、目にしたものは泥水に浸かった自分達の住んでいるこの街。あの新聞の写真の光景でした。

あの写真の中にワタクシの自宅があったと書きました。「それは気の毒に」と思ってくださったと思いますが、そうではなかったんです。どこまでも平らな濃尾平野のど真ん中、高台に住んでいたわけでもないのに、ワタクシの自宅の周辺は奇跡的に水害を免れました。

しかし、周りの惨状を目の当たりにすると、それを素直に喜んでいる状況ではありませんでした。むしろ、「自分だけが助かってしまった」という、罪悪感のようなものすら感じました。

とてもショックでした。自分が育った場所、慣れ親しんだ場所が一瞬にして濁流の中に飲まれてしまった。まさか、大切なこの場所が被災地になろうとは・・・。

避難所から自宅に帰ると、持って行くはずだったウーロン茶のペットボトルがキッチンにポツリ。それを見て、全身の力が抜けていくのを感じました。

「帰ってこれた・・・。」

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